個人サロンの予約管理|施術中のLINE・電話で予約を逃さない3つの変え方

施術中に予約のLINEが届いても、手を止めて返すことはできません。返せるのは施術が終わってからです。その間に、お客様は別のお店を予約しているかもしれません。
この記事では、紙の予約台帳とLINE(または電話)で予約を受けている個人サロンが困りやすい点と、全部を入れ替えずに最初に変えることを、調査データと実際のサロンの導入事例をもとに整理します。
紙の台帳とLINEで予約を受けているサロンで起きること

施術中に来た連絡に、すぐ返せない
1人で営業しているサロンでは、施術中の電話やLINEに対応できません。島根県出雲市で1人でヘアサロンを営む「mrn」のオーナーは、予約システムの導入事例の中でこう話しています。
施術しているときに電話が鳴ったら、お店には私しかいないので取らないといけません。そうすると5分は時間が取られてしまいます
横浜市青葉区で1人でサロンを営む「niwairo.salon」のオーナーも、予約システムを入れた理由として、電話やLINEでの直接のやり取りでは「私が対応できない時間が多く、返事が遅れてお客様を不安にさせたり、予約を取りこぼしてしまう」と考えたことを挙げています。
台帳への書き写しで、予約が重なる・日時を書き間違える
LINEで受けた予約を紙の台帳に書き写し、予約サイトから入った予約も台帳に書き足す。予約を受ける経路が増えるほど、書き写しの回数も増えます。どこか1か所で書き漏らせば、同じ時間に2人の予約が入ります。
東京・神保町のリラクゼーションサロン「こし楽 体ほぐし」は、開業前から複数の経路で予約を受けるつもりだったため、ダブルブッキングを自動で防げることを最優先にシステムを選びました。1人で店に立つ時間が多く、施術の合間に予約画面を見て他の経路の枠をふさいでいては、施術に集中できないというのが理由です。
前日の確認とキャンセル対応が手作業になる
紙とLINEで管理していると、前日の確認連絡は1件ずつ手で送ることになります。niwairo.salon のオーナーは、知り合いを中心にLINEで予約を受けていた時期を振り返って、「リマインドやキャンセル対応がとても大変でした」と話しています。
前回のメニューや好みが、台帳とトーク履歴に分かれて残る
前回のメニューや、お客様が気にしていたことは、台帳の余白とLINEのトーク履歴に分かれて残ります。次の予約の前に探し出すのに時間がかかり、見落としも起きます。
最初に変えるのは「空き枠を見せる」こと

全部を一度にシステムへ移す必要はありません。最初に変えるのは、予約の受け付け方だけです。
お客様が空き枠を見て、自分で予約を入れられるようにする
予約ページに空き枠を出しておけば、お客様は施術中でも夜でも自分で予約を入れられます。お店が返信するまで予約が決まらない、という状態がなくなります。予約が入った時点でその枠が埋まるので、書き写しによる重複も起きません。
前日のリマインドを自動で送る
多くの予約ツールには、予約の前日にお客様へ確認の連絡を自動で送る機能があります。愛知県田原市の美容院「FLORIAN」では、来店時に1〜2か月先の次回予約を入れたお客様が、その予約を忘れてしまうことがよくありました。ネット予約に切り替えてリマインドメールを自動で送るようにしたところ、電話予約のころに比べて直前のキャンセルが減ったそうです。
LINEは、予約を受ける場所から予約ページへ案内する場所に変える
LINEをやめる必要はありません。お客様にとって一番連絡しやすい窓口であることは変わらないからです。変えるのはLINEの役割です。日時のやり取りはLINEでせず、予約ページのリンクを送ります。LINEは、質問や相談を受ける場所として使います。
こし楽 体ほぐしでは、公式LINEからも予約できるようにしたところ、オープンから3か月ほどでLINE経由の予約が全体の2割を超えました。
電話は残す。50代・60代のお客様の予約経路をふさがない
ネット予約は増えていますが、電話を止めるのはおすすめしません。リクルートの「美容センサス2026年上期」によると、美容室を利用した女性のうち、過去1年に電話で予約した人は全体で19.5%でした。年代別では50代が21.6%、60代が27.4%です(人口20万人以上の都市に住む15〜69歳の女性が対象)。

年配のお客様が多い FLORIAN は、電話予約を受け続けながら、予約ページの使い方を書いた紙をお客様に渡して案内しました。オーナーの感覚では、導入前は半分以上だった電話予約が3分の1ほどに減ったそうです。電話をなくすのではなく、ネットで予約できる人から順に移ってもらうという進め方です。
予約ツールを選ぶときに確かめる4つ
お客様が会員登録なしで予約できるか
予約のたびにアカウント登録を求められると、お客様は後回しにしがちです。こし楽 体ほぐしは、名前と電話番号だけで予約できることを、ツールを選ぶ条件にしていました。
LINE・Instagram・Googleマップから予約ページに進めるか
お客様がお店を見つける場所から、そのまま予約ページに進めるかを確かめます。LINEのメニュー、Instagramのプロフィール、Googleマップのお店の情報に、予約ページのリンクを置けるかどうかです。
料金は月額か、予約1件ごとの手数料か
月額制は、予約が増えても費用が変わりません。予約ごとの手数料制は、予約が少ないうちは安く済みます。無料プランには予約数や機能の上限があることが多いので、上限に届いたときの料金まで確かめておきます。
お客様の情報を自分で取り出せるか
使い始めてから、別の予約ツールに乗り換えることもあります。お客様の名前や来店履歴を、CSVなどのファイルで書き出せるかを契約前に確かめておきます。
WEBSOLが手づくり石けん教室で設計した予約の流れ
千葉市の手づくり石けん教室のホームページを制作した際に、予約の流れも合わせて設計しました。
- 相談と問い合わせの窓口は、LINE公式アカウントに一本化する
- 予約の受け付けと事前決済は、予約ツールで行う
- お客様には、ホームページ → LINE公式アカウント → 予約ページでコースを選ぶ → その場で事前決済、の順に進んでもらう
ねらいは、オーナーとお客様の間で日時を調整するやり取りをなくすことと、事前決済によって直前のキャンセルを防ぐことです。LINEは予約を受ける場所ではなく、予約ページへ案内する場所として使っています。
まとめ
紙とLINEで回している予約のうち、最初に変えるのは受け付け方だけです。
- 予約ページで空き枠を見せ、お客様に自分で予約してもらう
- 前日のリマインドを自動で送る
- LINEは予約ページへの案内に使い、電話は残す
予約の入り口を整えたら、次の課題は、お客様にどこでお店を見つけてもらうか(Googleマップ、Instagram、予約サイト)です。WEBSOLでは、個人サロンの予約の流れの設計から集客まで、ご相談をお受けしています。
参考出典元
中出 亮太
合同会社WEBSOL 代表/CEO
中小企業のAI導入・DX支援、Web制作、自社SaaS「ventur」シリーズの開発を手がける。
