SFAを入れたのに営業が入力しない会社が、まずやるべき3つのこと

SalesforceやHubSpotなどのSFA(営業支援システム)を導入したのに、半年たっても営業担当がほとんど入力していない。結局、案件の管理はExcelに戻り、そのExcelも更新が止まりがち。
このような相談は、特に製造業の営業部門で多く聞きます。地方の会社や、ベテランの営業担当が中心の会社ではとくに目立ちます。
システムの機能が足りないわけではありません。多くの場合、原因はもっと単純です。
こんな状態になっていませんか
- 入力しているのは一部の担当者だけで、全体の状況は誰も把握できていない
- 会議の前になると、SFAではなくExcelで資料を作り直している
- 入力されている情報が古く、見ても判断に使えない
- 使い方を知っている社員が1人しかいない
一つでも当てはまれば、SFAは「入れただけ」の状態です。月額の利用料だけがかかり続けています。
使われない原因は、入力の手間に尽きる

SFAが定着しない理由はいくつも挙げられますが、現場で聞く声をまとめると、ほぼ一つに行き着きます。入力が面倒だからです。
入力と営業が、時間を取り合っている
営業担当の仕事は、お客様と会って売ることです。SFAへの入力は、その時間を削って行う作業になります。
入力をきちんとすれば、営業に使える時間が減る。営業に時間を使えば、入力する時間がなくなる。この板挟みの中で、多くの担当者は営業を優先します。評価されるのは売上だからです。
入力する人に、得がない
入力された情報を見て得をするのは、主に上司や経営者です。入力した本人にとっては「報告のための作業」でしかありません。自分に返ってくるものがない作業は、忙しくなると真っ先に後回しにされます。
導入時に、項目を欲張りすぎている
導入のときに「せっかくだから」と入力項目を増やすと、1件の入力に数分かかるようになります。項目が多いほど、入力されない項目も増え、結局どの情報も信用できなくなります。
まずやるべき3つのこと

1. 入力する項目を、半分以下に減らす
最初に見直すのは、システムではなく入力項目です。
「その項目を、誰が、何の判断に使っているか」を一つずつ確認してください。答えられない項目は削ります。最低限、次の3つが入っていれば、案件の状況は把握できます。
- どの会社の、どの案件か
- 今どの段階にあるか
- 次に何を、いつするか
項目が少なければ、入力は1分で終わります。1分なら、商談の直後や移動の合間に入力できます。
2. 入力のタイミングを、営業の流れの中に組み込む
「1日の終わりにまとめて入力する」ルールは、ほぼ守られません。疲れている時間に、記憶を頼りに入力することになるからです。
入力は、商談が終わった直後に、スマートフォンから行う前提にします。音声入力が使えるなら、話した内容をそのまま記録する形でも構いません。「会社に戻ってパソコンを開く」必要がなくなるだけで、入力のハードルは大きく下がります。
最近の営業管理システムには、名刺を撮影すると会社名や担当者が自動で登録される機能や、商談メモを音声で入力できる機能を備えたものもあります。手で打つ量そのものを減らせる仕組みがあるかどうかも、見直しの際に確認してください。
3. 入力した人が、一番先に得をする仕組みを作る
入力した本人に返ってくるものを用意します。例えば次のようなものです。
- 入力した内容から、日報や週報が自動で作られる(別に報告書を書かなくてよい)
- 会議の資料を、SFAの画面そのもので済ませる(Excelで作り直さない)
- 次の訪問予定の一覧が、自動で出てくる
「入力すると、自分の仕事が一つ減る」状態になれば、入力は義務ではなくなります。
それでも使われないときは、やめる判断も必要
項目を減らし、入力のタイミングを変えても定着しない場合は、そのシステム自体が会社の規模や営業のやり方に合っていない可能性があります。
大手のSFAは、大人数の営業組織を細かく管理するために作られているものが多く、少人数の会社には機能も設定も過剰になりがちです。使われないシステムに利用料を払い続けるより、自社の営業の流れに合った、入力の少ない仕組みに切り替える方が、結果的に安く済むことがあります。
判断の目安として、次の2つを確認してください。
- 3か月見直しを続けても、入力している担当者が半数に満たない
- 管理職が、SFAではなく別の資料を見て判断している
どちらかに当てはまるなら、乗り換えや解約を検討してよい段階です。
まとめ
SFAが使われない原因は、多くの場合、システムの性能ではなく入力の手間です。
- 入力する項目を半分以下に減らす
- 入力を、商談直後にスマートフォンで済ませる流れにする
- 入力した人が一番先に得をする仕組みを作る
この3つを先に見直してください。それでも定着しない場合は、システムを変える判断も含めて考えます。
WEBSOLでは、導入済みのシステムの見直しから、現場で使われる形への作り直し、社員向けの研修までを支援しています。
自社でも、営業管理のSaaS「ventur Sales」を開発・運用しています。名刺の撮影で顧客情報を自動で登録する機能や、商談メモを音声で入力できる機能は、「営業が入力しない」問題に向き合う中で作ったものです。既存のシステムを使い続けるか、乗り換えるかの判断も含めて、まずは現状をお聞かせください。
中出 亮太
合同会社WEBSOL 代表/CEO
中小企業のAI導入・DX支援、Web制作、自社SaaS「ventur」シリーズの開発を手がける。
